高知でヒッチハイクをしたらパトカーに乗った話 後編

 

~前回のあらすじ~

失ったスマホを求めて地元の教頭先生と一緒に須崎警察署に向かった。

紛失届を書いたものの、最終的に警察官の善意でGPSで測定されたスマホの

エリアである隣町の中土佐町にパトカーで送ってもらうのだった。

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警察署としては交通パトロールを兼ねて行く事になった。

パトカーに乗っている時に車内のあちこちを見回した。

カーナビに無線機のようなものが付いていた。

 

そしてパトカーの圧倒的な乗り心地のよさに感動していた。

「犯人は護送される時は快適なんだろうな…」

 

赤信号で停まった時、こっそり後部座席のドアをこっそりとだけ開けた。

開かなかった。どうやら拘束された犯人の逃亡を防ぐために後部座席は運転席からでしか開けられないようだった。小説「ゴールデンスランバー」の描写が正しいことを

知った。

 20分ほど経って中土佐町に着いた。

中土佐町は古くからの漁場だったため、路地はせまく住宅や魚屋、居酒屋などの個人商店が密集していた。時刻は8時前後になっていた。

あたりはひっそりとしていて何軒か酒屋の明かりがついていた。

パトカーは一度だけサイレンを「プオー」とだけ鳴らして停車した。

男性の警察官がiPhoneで自分のスマホの位置を特定してくれた。

スマホとの距離が近かったからか、測定範囲はぐっと狭まっていた。

 

「この車かな?」

路肩に止まってある軽自動車の場所とiPhone上の画面の自分のスマホの

位置がピッタリと一致した。

 

『やったーー!わーっしょい!!わーっしょい!!!』

 

しかし車の持ち主がどこにいるのかわからなかった。

本当はスマホのあるところまで送るだけだったけど、

警察官の二人は夜中に家々のピンポンを押して事情を説明してくれた。

 

たしか2軒目か3軒目くらいで車の持ち主を聞いたところ、

おばあさんがそこの酒屋の常連だからいるかもしれないということを教えてくれた。

そしておばあさん自ら酒屋に行って話をしてくれた。

自分と同じくらいの歳の孫がいるそうで、おばあさんは優しかった。

 

酒屋から夕方送ってくれたおじさんが出てきた。

おじさんに再三謝って車からスマホを取り出した。

おじさんも言われるまではスマホを忘れていることを知らなかった。

 

おばあさんが今夜は雨が降るだろうから船の倉庫の二階が部屋になっているから

そこに泊まりなさいと言ってくれた。

自分が大分の大学のAPUというところから来たというと、

孫も同じ大学に通っているということで旅先の不思議なつながりに驚いた。

 

「本当にありがとうございました !!」

お礼を言うと「旅先も気をつけて」と言ってパトカーは走って行った。

かっこよかった。

 

部屋の二階に上がった瞬間、大雨が降り始めた。

本当に部屋に上がった瞬間だった。奇跡だった。

 

部屋にはトイレや水道、テレビやベッドまであって倉庫の二階というよりは

一つの完結した部屋だった。

 

しばらくしておばあさんの孫のAPU生が来た。

田中くんという学生で同じ歳だった。

田中くんはサークルのGASSに入っているそうで知り合いの名前を言ったら盛り上がった。世界の広さを痛感した。

 

田中くんは軽い食べ物を持ってきてくれて、

明日は両親の魚屋で朝ごはんをご馳走してくれるということだった。

 

明日の天気を調べるとくもりだった。

スマホが見つかったことにホッとして、晴れになることを祈りながら静かに眠った。

壁の掛け時計がチクタクと鳴っていた。

 

 

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