小説 「イチトレイ」 第1話

 

2014年5月15日8:15

大分県大分市光吉にて

 

17歳の佐々木一(ささき はじめ)にとってそれは新たな人生の始まりだった。彼は高速のインターチェンジ前に立っていた。左の親指を立て、もう片手でB5のキャンパスノートを持って。見開き1ページにデカデカと書いた文字は「東京」の2文字。リュックには教科書と筆箱と電子辞書。ポケットにはハンカチとポケットティッシュ。全財産の8500円が入った財布をカバンの下ポケットに入れて、彼は戻ることのない旅をはじめた。

彼の心には、かすかな希望の火が灯し始めていた。

 

 

 

 

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